エジソンの研究所

例を挙げましょう。トーマス・エジソンは自分で発明したものは一つもないんですね。大抵はもともとあるテクノロジー同士をくっつけているわけです。彼の優れていたところは、理想的な研究所を作る能力があったところです。それは、研究者がイノベーションを生み出しやすい環境を知っていたということかもしれません。
どんなところかというと、それぞれ研究者が自分の分野の研究をやっているんですね。で、誰が何をやっているか、一目瞭然の環境だったんです。で、「調子はどぉ?」なんて聞かれると、「ああ、ここで行き詰ってんだよね」「ん〜あいつがこないだ変なもん作ってたけど、あれが使えるんじゃないか?」といって、どんどん各テクノロジが結合し、イノベーションが生まれていく。そんな環境があったんですね。
エジソンはInventorではなくInnovatorであり、何より優れたTechnology Brokerであったということです。